「教室の卒業生より①」
1月19日に開催した第27回発表会に、教室の卒業生が来てくれました。
3歳から教室に通い、最初の一年間、一言もしゃべらなかったふみちゃん。
現在、行動力のある大学1年生。
以下、彼女が寄せてくれた発表会の感想です。
今年の発表会、3歳から高校生まで通いつづけた「みんなのひろば」に久しぶりに会いに来ました。
ピアノの部、リトミックの部をみていて、すごくすごく懐かしくなりました。
そして、ものすごく驚きました。
というのは、ピアノの部では子供たちがお母さんやお父さんと連弾をしていて、それが大変意味のある大きなことだと気づいたからです。実際私も母と連弾であの舞台に立ったひとりです。
舞台に立つ親子を見て、この日までのその親子の練習風景が、曲とともに目の前に広がりました。合図の仕方、間違えた時の立て直し方、お互いを思いやりながら弾く姿に、ひとつの曲を完成させるまでの全てが見えました。すべての曲に思いが込められていて愛のある演奏でした。
一人でピアノを弾く子もたくさんいて、そのかっこよさに感動し、がんばれ、がんばれと心の中でたくさんエールを送っている自分がいました。大人の方のピアノの発表からは、なぜかものすごいエネルギーをもらいました。
人前で一人、しかもホールには自分の音しか響いていない、こんな贅沢で緊張する舞台はないけれど、ホール中のひとが演奏者を応援しているようなパワーを出していて、とてもあたたかい場所になっていました。
ああ、「みんなのひろば」のピアノ発表ってこんなに熱くて愛のある時間だったんだ、と休憩で急に力が抜けて、ふと思ったのです。
また、リトミックの部ではひたすら驚きました。
すべての発表に意味があるということに、やっと気づけたのです。
ただあの頃は先生のピアノの音で楽しく走っているだけだったけど、本当はそうではなかった。
長調、短調を区別するものであったり、二拍子と三拍子を区別するものであったり……あのときはただ楽しく聞
こえる音のままにぴょんぴょんとびはねていたけれど、それは体で音楽の要素を覚えて感情に結びつけ、行動にしているんだ、と気づいた時、リトミックとは何かという問いへの答えがやっと見つかった気がしました。
よく、リトミックをやっていたと言うと、
「それなに?」と聞かれます。
それがやっとわかりました。
発表会後は懐かしい先生に会ったりして、自信を持って今の話をしている自分がいました。
この教室で学んだことや見つけたこと、大学生になってはじめて気づくこと、たくさんあります。
いろいろなことを大事にしてくれるこの教室。本当にここは、いつまでもみんなのひろばなんだな、と感じました。
この教室が大切にする、暖かさや家族の繋がり、音の楽しさを自分は今、大切にできているような気がしてとても嬉しくなりました。それがこの教室への恩返しになっていたらもっと嬉しいです。
大学1年 ふみ