「何気ないおしゃべり」
音楽を通して色々な場所で仕事をしているとさまざまな出会いがあります。そして何気ないおしゃべりが前進するきっかけとなり、勇気をもらうことがあります。
5月のある日、リトミック教室に通うお母さんとの立ち話。
母:「リトミックって、本当にいいですよね。最初は子どもがやらなかったけれど、今はとっても楽しみにしています。」
額田:「ありがとうございます。生のピアノの音を聴いて、伸び伸びと音楽に反応して動くことで、自然に聴く耳を育てますよね。そして、それが人の話を聴く力にもつながりますよね。」
母:「CDに合わせて動くのと違って、子どもは集中して音楽を聴いて反応するし、幼児期だからこそ、できることってあると思っています。」
額田:「お母さん、偉いですね!見た目が華やかなものに、ついつい目を向けますが、おうちではできないことを、リトミック教室で身につけて欲しいと思っているのですよ。道具がなくても工夫して遊んだり、イメージすることって大事だと思います。」
母:「本当にそう思います。」
人間の脳の発達は、まず右脳〔感覚〕が6歳までに発達して人間としての基礎を作り、その土台にのって、左脳〔言語、計算〕が発達していきます。
ですから、幼児のリトミックは脳の発達に見合った教育です。すぐに答えが出るものではなく、じっくりと土台を育てていくのです。
幼児期が人間の成長の最終目標ではありません。幼児期には木の根っこをじっくり育てていきたいものです。決められたことを覚えるだけではなく、自分自身で感じたことをしっかり頭と身体を使って表現できる力。この力は幼児期を過ぎてから、色々な場面で大きなエネルギー、財産になっていくのです。今、見た目が良いから、完成しているから、ではなく、子どもの教育は先を見据えたものであって欲しいと思います。
社会全体のめまぐるしいテンポに巻かれるだけでなく、じっくり考え、今、何が大切なのか見極められる力を育てて欲しいとたくさんの子どもたちの成長を見ていて感じます。
そして、それは私自身の課題でもあると思っています。
ゴールデンウィークはいかが過ごされましたか?
私は初めて出かけた上高地で、おいしい空気ををたくさん吸い、山、川、緑、光、動植物、すべてが溶け合うみごとな自然に感動し、守らなくてはいけないな、と感じました。自然の中にいると色々なことを感じられますね。