優美先生のTea TIME vol.8 「岡本太郎美術館」

「岡本太郎美術館」  

先日、以前から気になっていた『岡本太郎美術館』に思いきって行ってきました。この日は2月下旬にもかかわらず、3月中旬を思わせる暖かな陽気!
目指す岡本太郎美術館は、小田急線向丘遊園駅から徒歩17分。
美術館がある生田緑地公園に入るなり、「小学校の頃、遠足で来たな~」と、遠い昔を思い出し、矢印に従って公園の奥へ。美術館の前には、空に向かってツーンと伸びるスタイルの良い杉の木々。一言でいうと「きれい」。背筋をピーンと伸ばし、お行儀よく並んでいます。木々の合間からは青空が。杉の木の間を通り抜けて階段を上り、すがすがしい気分で、初めての美術館の玄関に入りました。
岡本太郎氏の作品は、とにかくすごい!見るものに訴えかける自己主張。色のあでやかさ。一つの作品からは、さまざまなイメージや感情が広がる。大きなエネルギーを感じ、まるで呼吸しているかのよう。常識を覆し、感性に訴えかけるすごい芸術家。

館内の順路に沿っていくと、企画展「第11回岡本太郎現代芸術賞展」の入選作品の展示もありました。
岡本太郎氏の精神を継承し、自由な視点と発想で、現代社会に鋭いメッセージを突きつける作家に贈られる賞だそうです。

どの作品も、作者の個性、センスがすばらしい。まさか・・の発想の豊かさ、感性の鋭さに度肝を抜かれました。とにかくおもしろい!
個性豊かなすばらしい作品に出会い、元気をたくさんもらい、私の眠っていた感覚が、飛び起きたような衝撃でした。

「思いきって来てよかったな・・」
そんな思いで、階段上にある美術館の玄関を出ると、視界に入ったのは、さっき階段の下から見上げたあの背の高い杉の木々。あれ? さっき階段の下から見上げた杉の木たちは、階段上で横から見ると、同じようにまっすぐに伸びていません。傾いている木、緩やかに曲がっている木・・・全体を見れば、「まっすぐに伸びる木々」に間違えはありません。しかし自然の中で育つ木々は、定規で引いた線のようにまっすぐではなく、それぞれ表情がありました。
見る角度によって、こんなにも木の表情は違うのか・・・
私は、しばらくその木々を眺めていました。
同じものでも、見る角度によって、感じ方がこんなにも違うのですね。
こんな風に感じたのは、私の感性に刺激を与えた「岡本太郎美術館」鑑賞したからでしょう。私の中で眠っていた「感性」が目覚め、感覚が鋭くなった午後のひと時でした。

次の日、私は大人のピアノクラスの生徒さんに、この美術館の感動を立て
続けにしゃべりました。良いものに出会うと、その感動を伝えたくなるのです。
「岡本太郎美術館」はお薦めです。満足!