優美先生のTea TIME vol.25 「教室の卒業生より②」

「教室の卒業生より②」

教室では、小学6年生まで通った生徒を対象に、3月最後のレッスンで「修了式」を行います。
今年の修了生Iさんは4歳から教室に通い、動く、演奏する、歌う、そして作曲、どれも積極的に取り組みました。特に小5,6年での作曲は、こだわりをもって自分の音を探し、発表会では演出、照明、動きにもこだわりました。
幼児期から積み重ねた幅広い音楽体験は、これからもさまざまな場面で大きな力となるでしょう。
修了式では、リトミック(和音と移調)、振り付け(ブルグミュラー作曲「アラベスク」)、ピアノ演奏、歌、作文、茶話会の流れで行いました。
修了生は事前に作文を書き、当日本人が読みます。
以下、心身ともに大きく成長したIさんの作文です。

  「私の奏でるべきO・N・G・A・K・U」

私が音楽を続ける意味ってなんだろう。自分に改めてたずねてみる。確実にはわからない。しかし一つのことを成し遂げ、身につけると、その分心の音楽のメロディーが濃く、奥深く、誰にも真似できないものが出来上がっていく。その音楽の冒頭になったのが八年前である。
八年前などほとんど覚えていない。しかし、始めと終わりに円になって歌をうたうこと、友達のことは覚えている。普段のレッスンやピアノ、たくさんのことが思い返される。
必ず思い出すのがEちゃんを泣かせたときである。口がすべりひどいことを言った。気づいたときは手遅れ。すでに涙の湖ができていた。今となれば幼い時の懐かしい思い出である。

泣いて笑って、必死になってやったピアノ。本が変わるにつれてどんどん難しくなり、音を間違えずに弾くので手一杯だった。それでも合格したときは本当にうれしかったし、達成感を感じた。
そして次のステップ、作曲。自分が作り出したい世界、伝えたいことを考えるうちに迷宮に入り、そこからマイワールドができていった。

もう一度たずねてみる。音楽を続ける意味って何。音楽って何。
形などない。
ただひたすらに
伝えたいことを、自分自身を
春のように優しく、
嵐のように激しく、
人生の一部であり

誰の心にも一年三百六十五日
いつでもある。
人生に命を吹きかけ、
人を支え、心を伝え、世界を包み、進んでいく、
これが音楽である。
伝えきれない思いが流れてくる。

小学6年 I